今後ホワイトカラーの仕事は加速度的に減少する

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■正社員の守られた地位と企業側のリスク

 労働人口における非正規労働者の割合が4割を超えるまでに拡大している現在ですが、それでも半数の労働者は正規社員としての職を得ています。また、大都市圏や首都圏においては、いまだホワイトカラーの仕事も数多く存在します。


 しかしホワイトカラーのイスは、日々減少を続けています。この要因が業務の電算化に加えて、急速に進化しつつある人工知能の影響にあることについては、先にもふれてきています。


 企業にとって最も大きな経費は、いうまでもなく人件費です。正社員として人を一人雇用すれば、福利厚生や各種保険なども含めて最低でも年間300万円以上のコストが発生します。10人の正社員を雇えば、最低年間3000万円以上ものコストがかかるわけです。


 また、日本における正社員とは、労働基準法において手厚い保護を受けています。正社員を解雇するには、経営不振に加えて派遣労働者やアルバイトの解雇、さらには抜本的な経営の建て直しなどを実施し、それでも経営が立ちゆかない場合に限られています。しかしこれは、企業側からすれば多大なリスクだと言えます。


 労働法の規制緩和によって、非正規労働者の割合が急増したのも、これらの事情を考慮すれば納得のいくところかと思います。


■今後も減少を続ける正社員のイス

 一方、正社員の立ち位置は今なおしっかりと守られており、企業は容易には正社員を解雇することができません。このため、大企業の多くは、政治家などへの働きかけにより、正社員の保護をも緩和させようと躍起です。


 人工知能が今後さらに労働者に置き換わっていけば、わざわざ人を雇用する必要はないわけですから、不要になった人員を徐々に排除したいと願うのは当然であり、正社員を保護する法律は、企業にとってある意味邪魔なものだからです。


「本当にそんなことが起きるのだろうか?」と、思われるでしょうか。


 しかし実は、正社員のイスの減少は、すでに進みつつあります。これは、一度正社員の座を退いてみればよくわかるはずです。現状、転職は非常に難しい状況が続いています。高度成長期のように、転職=収入アップはすでに幻想であり、おおよそ転職=収入ダウンとなっています。しかしそれでも転職して正社員のイスを確保できたのなら、その人はラッキーと言えます。多くの人は、一度正社員のイスを人に明け渡してしまえば、二度とそのイスをつかむことは難しいのが現状なのです。


 正社員のイスは今後も減少を続けていくことでしょう。私たちは、会社や正社員として守られた労働環境において、安定した生涯設計を立てて生きることは難しくなることでしょう。結婚をしてマイホームを取得し、子供を育て、そして老後にはゆったりとした余生を送るといった人生は、すでに過去の幻想となりつつあるわけです。




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