過酷でかつ低賃金な労働を続けなければならない理由

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■労働者の生活が苦しい理由

 私たちはなぜ過酷でかつ低賃金な労働を続けなければならないのでしょうか。私たちの多くは株式会社などの法人に雇用されて職を得ているはずです。株式会社は、株主のために存在します。株主は株を介して資金を企業へと提供しますが、その一方で企業が得た利益を、配当という形で受け取ることになります。このため、企業体の最大の目的は、利益を計上することにあります。これが「企業にとって収益確保は第一の目的であり損失は罪悪」とまでいわれる理由でもあるわけです。


 さて、企業体で利益を上げるためには、労働者の存在が不可欠です。そこで企業は正社員や派遣労働者を雇用します。そして多くの人は、このプロセスの一環として職を得ることになります。


 企業が利益を上げるためには、売上を拡大する一方で、支出を最小限に抑えることが必要となります。ちなみに企業体における最大の経費は人件費です。このため、多くの企業では人件費をなるべく低く抑えようとします。よって労働者は、最低限の生活を余儀なくされることになるわけです。


■非正規労働者が急増した理由

 昨今派遣労働者をはじめとした非正規労働者が急増したのには、しっかりとした理由があります。これについては、派遣法の改正が最も大きな要因として挙げられます。バブル以前においては、派遣として扱える職種は一部の技術職などに限られていました。ところが規制緩和により、現在では幅広い業種において派遣社員の取り扱いが可能となりました。


 企業としては、繁忙期や景気の良い時に、より多くの労働者を必要とする一方で、停滞期や不況期においては、労働者を削減することで雇用調整を図り利益を得ようとします。


 このニーズに派遣法の規制緩和は大きな追い風となりました。非正規労働者であれば、必要な時にのみに労働力を得ることができるので、とても使いやすいわけです。


 その一方で、企業は正規雇用の比率を最小限に抑えようとしています。これには、1970年代から急速に普及した業務の電算化と、今後急速に普及するであろう人工知能の存在が大きく関与しています。


■人工知能と私たちのこれからの働き方

 人工知能とはえ、現状では膨大な情報の中から一定のパターンを導き出す能力を持つに過ぎませんが、それでも、これまで人間が気づかなかった方向性を見いだすことは十分にできるようになりつつあります。また、これまで企業が必要とした事務職の仕事については、今後おおよその業務が完全な自動化に成功することでしょう。さらには、マーケティングや経営分析、生産の効率化などについても、人工知能が人に代わって的確な答を出すようになりつつあります。つまり今後の企業運営において、これまで人が行っていた業務の多くは、人工知能やコンピュータに置き換わることになるわけです。


 今後、企業が必要とする労働力は、人工知能では実現できない末端の労働力に限られることが予想されています。人であれば誰もがすぐにできる軽作業などが、人工知能では当面実現できない労働部分であるからです。


 しかしこの部分は派遣労働者で十分に事が足ります。よって今後の企業は、少数精鋭でありながら、大きな売上を確保することができるようになります。つまり、これまでのサラリーマン主流の労働環境は、崩壊寸前の状態にあるといえるわけです。


 よって、サラリーマンのイスは今後もさらに減少傾向をたどることになります。つまり労働者に残される労働とは、その多くが末端の軽作業や雑務に限定される可能性が高いのです。


 このような大きな流れの中で、今後、労働環境が改善されることはまず難しいといわざるを得ません。私たちは新たな働き方を模索する必要性に迫られているわけです。




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