資本家の搾取構造に陥ってしまうプロセス

Sponsored Link


■現状の資本主義構造

 私たちの生活は、なぜ豊かにはならないのでしょうか。「給料が安すぎるからだ」と多くの方は思われるはずです。これについては、これまでにもふれてきました。企業が利益を上げるためには、人件費を削減する必要があり、よって労働者が豊かになることはほぼ不可能なのです。


 加えて、労働者が豊かになれない本質的な要因があります。そしてこれには、多くの労働者は気づくことがありません。いえ、気づいてはいるものの、そこから逃れることはとても難しいのが、現状の資本主義構造とも言えます。


■豊かになることの裏に隠された仕組み

 私たちは小さいうちから豊かになることの必要性を教えられます。「一生懸命勉強しろ」とご両親にいわれた経験をお持ちの方も少なくないはずです。この際に「なぜ勉強しなければならないの?」と問えば「いい大学へ行き、大企業に就職するため」といった答が返ることでしょう。また「なぜ、大きな会社に就職しなければならないの?」と問えば、「大きな企業なら安定した生活を得られるし、給与も高いからだよ」との答が返っていたはずです。


 つまり資本主義社会では、お金を持つことが豊かなことであり、逆にいうならば、多くのお金を使える立ち位置になることこそが、人生の目的であるかのような教育を受けて育つことになります。


 資本主義社会においては、血液たるお金が流通することで繁栄がなされます。大量消費は多くの企業に恩恵をもたらします。企業が儲かれば税収が得られるため国家もまた潤うことになります。よって、労働者はより多くの消費をするように促されるわけです。


 ところが、多くの消費をしようにも、労働者の賃金は限られています。ない袖はふれないわけです。しかし、ない袖を振らせる方法がないわけではありません。これが借金やローンです。


■銀行が儲かる仕組み

 資本主義国の多くは、中央銀行によって自国通貨が発行されます。日本においては日本銀行がこの役割を担っています。日銀が発行した通貨は、国債などを介して大手銀行へと流れますが、結果として国民が借金をすることによって市場へと流れます。


 たとえばあなたが借金をして家を購入したとします。その額4000万円。このお金はあなたが借りたわけですから一時的に銀行からなくなり、購入費用に充てられます。ところが家やマンションを販売したことにより住宅販売会社が得たお金は銀行に振り込まれることになり銀行へと戻ります。


 家を販売した業者は、建築コスト分や人件費を支払うことになりますが、このお金も銀行へと戻ることになります。つまり、銀行にプールされたお金は、巡って再び銀行へと戻るわけです。


 さて、この大きな流れを単純化して考えるならば、あなたが借金をした段階で、銀行が借入額を入力すれば、それで事が完了することに気づかれるでしょうか。


 あとは、債務者であるあなたが金利を含めたお金を実際に稼ぎ、債権者である銀行に返済するだけということになります。そして多くの国民が同様に債務者となることで銀行は潤い、資本主義経済は繁栄することになります。


■結果的に搾取の道具となる労働者

 債務者は必死に働く必要があります。市場にお金を回すために日々過酷な労働に耐えつつも、働き続けなければならないわけです。


 このプロセスに組み込まれてしまうと、働いても働いても、お金は右から左に流れて手元に残ることはありません。資本家に利益がプールされる一方で、労働者は常に働かざるを得ない状況から逃れることができず、結果として生涯に渡って労働を中心とした人生を歩まなければならず、だからこそ、資本家は必要に応じた労働力を確保することに成功するわけです。


 つまり、資本家が描いた資本家を豊かにするためのシステムの中で、労働者は常に市場にお金を回すために、より多くの消費と過酷な労働を余儀なくされるわけです。




Sponsored Link